戦略コンサルタントの備忘録

新卒でコンサルファームに入社した戦略コンサルタントの備忘録。コンサルキャリアを考える材料をシェアすることが目的です。

「お金」ではなく「インパクト」

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常駐を始めて少しずつスコープ外の相談を受けるようになりました。
コンサルティングファームにとっては、こうやってクライアントの傍にメンバーを置いておいて、いつでもニーズを聞き取れるような体制を整備することが戦略なので、ファームの戦略の一部として機能してきたかなという状況です。

ファームの戦略とは言え、常駐開始2~3週間でプロジェクト化するような規模の相談がくるなんて「やっぱり俺ってすごいんじゃね?」と心が躍ってたわけです。

「それ、何が面白いの?」

明るい気持ちで常駐先を退社し、ファームオフィスに意気揚々と(いつもなら憂鬱な気持ち)向かいました。

到着してすぐにパートナーを捕まえて、前述の相談(依頼)についてドヤ顔で報告しました。

僕:「クライアントからXXを検討したいという依頼を受けました!(わざとちょっと困り顔をしながら)」
P:「・・・それ、何が面白いの?お金貰えれば何でもいいの?」
僕:「・・・(絶句)」
てっきり褒められるとばかり思っていた僕にとっては雷を落とされたような衝撃でした。

「お金」ではなく「インパクト」

パートナーになるような人たちの仕事のモチベーションって意外なことに「お金」ではなく、世の中やクライアントに対する「インパクト」(=面白さ)なんですね。
(※1:相対的なものですので勿論お金もモチベーションになってはいると思いますが)
(※2:勿論、モチベーションはパートナーにも寄ります。金の亡者の様な人もいます)

たしかに僕が今回依頼された内容を自分でやりたいか・ワクワクするようなプロジェクトかと問われれば即答でNoでした。

今回のくだりで一番衝撃だったのはプロジェクトを受注すればインセンティブが働くパートナーという立場でありながら「面白い」「面白くない」で受注する・しないを判断できるというマインドです。(僕にとっては受注する・しないで評価上の影響は一切ない)
プロフェッショナルとしての意地なのか、元々精神君子のような哲学を持っていたのか分かりませんが、日々自分自身の評価と成長に全神経を投入しながら仕事をしている僕にとっては強烈に印象に残る事件でした。