戦略コンサルタントの備忘録

新卒でコンサルファームに入社した戦略コンサルタントの備忘録。コンサルキャリアを考える材料をシェアすることが目的です。

労働集約型のコンサルティングサービス

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「色々なファームを使ったけど、正直どこも賢さだったり視点の鋭さは変わらない。もう一回依頼したいと思えるかは、結局どれだけやり切ってくれたかなんだよね。」

 先日、某大手自動車メーカーの経営企画で働いた後、ファームに転職されてきた方が言っていたことです。
僕自身は使われる側なので確かめようがないですが、知り合いで他ファームで働いている人/いた人を見るとファームによって賢さに差があるとは思えない(自分が一番賢いと言いたいところですが)というところが正直なところです。 

フラット化する賢さ

コンサルティングと言うものが何となく認知され始めるまでは、賢い人間を雇うことにファーム側は物凄く苦労したと思います。
賢い人間は良く聞いた事もない外国から来た企業よりも、銀行や商社に行きます。

ところがコンサルティングの認知度が上がってくると、頭に自信のある多くの人間が志望するようになり、いつしかコンサルティングファームは優等生が行くところになりました。

 昔は「賢い」×「リスクテイカー」の、ある種有限の人材を奪い合わなければいけなかったので、そうした人材の獲得有無でファームのサービス品質が左右されていたように思います。
翻って現状を見ると、限りなく存在する「賢い」だけの人を容易に獲得できるようになったので、その結果、各ファームの賢さと言うものが均一化しています。

 そうしたフラット化した賢さの皺寄せというのは必ずどこかに現れます。
競争原理が働く以上、どこかで競合と差を付けなければいけません。
でも賢さでは変わらない。
「俺たちは"時間"にお金を払って貰ってるんじゃない、"価値"にお金を払って貰ってるんだ」
と偉そうに言える古き良き時代はとっくに終わり、今は「どれだけの想い」を持ち、「どれだけ頑張った」かが重要になっています。

それが冒頭の話です。 

長期的なキャリアとしてのコンサル

賢い人間達が死ぬ程努力をするという終わりなき消耗戦で、プライベートも犠牲にして身も心も削られていきます。
そんな環境で働き続けることができるのは、本当にこの仕事が好きな人だけかもしれません。
自分自身を見つめた時に、僕は心からこの仕事が好きだとは言えません。
(勿論楽しいと思うことは多々ありますし、やりがいも感じでいます。ただやっぱり全てを捧げる程ではありません)

そう考えた時に、コンサルワークを長くは続けられないなぁと思った次第です。